[大蔵弁護士による米国ビザ情報] 欧州からの入国制限
2021年1月25日にバイデン大統領は、新型コロナウイルスのさらなる蔓延を防ぐために、シェンゲン圏、英国、およびアイルランドからの入国者を制限する大統領令を発令しました。この大統領令によると、渡航前の14日間にこれらの国に滞在した人はアメリカへの入国が制限されます。シェンゲン圏には、オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイスなどヨーロッパ26か国が含まれます。これらの措置は2020年の3月にトランプ大統領によって発令されていましたが、バイデン大統領は新政権の方針を新たに発表しました。
ただし、この発令には例外があり、アメリカ市民やアメリカ永住権保持者とその配偶者、法的保護者、21歳未満の未婚の兄弟や子供、コロナウイルス対策のために米国政府の招聘を受けたもの、船舶・航空乗組員、外国の政府関連者とその家族、アメリカ軍隊勤務者とその家族、アメリカの法執行機関の協力のための渡米者、アメリカへの入国が国益に値する場合は、例外の対象となります。国益例外には公衆衛生、国家安全保障、および人道主義のための旅行などが含まれます。
【取消カテゴリー】しかしながら、2021年3月2日には国益例外の対象から4つのカテゴリーが取り消されました。今回の方針では、以前国益例外の対象となっていた特定の技術専門家と専門家、上級管理職と幹部、条約貿易業者と投資家、プロの運動選手とそれらの扶養家族は対象外とされました。
【重要なインフラ】その反面、重要なインフラストラクチャーに不可欠なサポートを提供する旅行者を対象とした新しい国益例外のカテゴリーが設けられました。重要セクターには次の分野が含まれます。化学、商業施設、通信、重要な製造部門、ダム、防衛産業基地、緊急サービス部門、エネルギー、金融サービス、食品および農業部門、政府施設、ヘルスケアおよび公衆衛生部門、情報技術、原子炉、材料、および廃棄物、運輸部門、下水道システムなど。重要インフラ・セクターに不可欠なサポートを提供するために渡米する場合、旅行前に最寄りの米国大使館または領事館に連絡し国益例外の対象となるかについて確認する必要があります。国益例外が承認されれば、有効なビザで渡米することができます。
【学生・ジャーナリスト】さらに学者 (J1)、学生 (F1、M1)、ジャーナリスト (I) は、国益例外に該当します。旅行前に最寄りの米国大使館または領事館に連絡し国益例外の対象となるかについて確認し、国益例外が承認されれば、有効なビザで渡米することができます。F1やMIビザ申請者は、国益例外の申請のために大使館や領事館に連絡する必要はありませんが、最寄りの大使館または領事館でビザサービスのステータスを確認する必要があります。 F1やMIビザの資格があると判明した申請者は、自動的に国益例外の対象として扱われます。
【ESTA】有効なESTAを保持或は申請中の場合は、国益例外の対象となるか事前に最寄りの米国大使館または領事館に連絡する必要があります。国益例外が承認されればESTAで渡米することができます。
新方針より、既に発行されたビザや国益例外が取り消されることはありません。
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このコラムは、Taylor English Duma法律事務所の大蔵昌枝弁護士によって執筆されています。大蔵弁護士へのお問い合せは下記の情報を参照下さい。
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