[大蔵弁護士による米国ビザ情報] グリーンカード申請のプライオリティ・デート後退

2023年度8月より、国と申請枠によっては、永住権申請のプライオリティ・デートが大幅に後退しています。プライオリティ・デートとは、雇用主スポンサーによる永住権申請の場合は、Labor Certification を労働局に提出した日を示します。第1優先枠申請者は Labor Certification 申請を免除されるので、移民局が I-140 を受領した日を指します。家族スポンサーによる永住権申請の場合は、移民局が I-130 を受領した日を指します。プライオリティ・デートは毎月更新されますが、自分が Labor Certification を提出した日、或は I-140 か I-130 の受領日が表示されたら、永住権 (I-485) を申請することができます。

特に顕著な遅れがみられるのは、全体的な需要が非常に高いインド国籍保持者の雇用による第1優先枠 (卓越した能力保持者、優秀な研究者・教授、多国籍企業管理職) で、7月のプライオリティ・デートは02/01/2022から8月には01/01/2012と、10年程後退しています。さらに、3優先枠のプライオリティ・デートは6月の06/15/2012から7月には01/01/2009まで一気に2年5ヵ月ほど後退しています。第2優先枠のプライオリティ・デートは01/01/2011で変更はありません。

中国はプライオリティ・デートに大した変動は見られませんが、逆に、第3優先枠のプライオリティ・デートが7月の04/01/2019から9月には09/01/2019と5ヵ月ほど繰り上がってます。第2優先枠のプライオリティ・デートは1ヵ月ほど繰り上がり、現時点では07/08/2019となっています。第1優先枠のプライオリティ・デートは02/01/2022で変更はありません。

メキシコ、フィリピン、日本を含むその他国籍保持者は、第3優先枠のプライオリティ・デートが7月の02/01/2022から8月には05/01/2020まで凡そ2年間ほど後退してしまいました。逆に、第2優先枠のプライオリティ・デートは5ヵ月ほど繰り上がり、現時点では07/01/2022となっています。第1優先枠のプライオリティ・デートは現時点では08/01/2023と待ち時間がほぼありません。

宗教従事者、アフガニスタンやイラク人の翻訳者、特別少年移民などを含む第4優遇枠のプライオリティ・デートは、すべての国籍保持者は 09/01/2018のままで変動はありません。

移民投資家向けの 第5優先枠では、インド国籍保持者のプライオリティ・デートは04/01/2017、中国国籍保持者のプライオリティ・デートは09/08/2015のままで変動はありません。第5優先枠のその他の国籍保持者には待ち時間はありません。

通常、プライオリティ・デートに変更がない場合、その会計年度に永住権の割当枠が償却されたことを意味します。2023年10月1日には新年度の割当枠が開始するので、現在プライオリティ・デート待ちの申請者は、9月中旬に発表される10月の新年度枠のプライオリティ・デートを確認し、順番がまわってきたら速やかに申請書類を提出できる準備をした方がよいでしょう。

抽選永住権 (DVL)に当選した人は、2023年9月30日までに移民局により米国永住権 (滞在資格変更) を承認されるか、或は国外の米国大使館或は米国領事館から移民ビザの発行を受け取る必要があるのでご注意ください。

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このコラムは、Taylor English Duma 法律事務所の大蔵昌枝弁護士によって執筆されています。大蔵弁護士へのお問い合せは下記の情報を参照下さい。

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