[大蔵弁護士による米国ビザ情報] 外国人登録証明書

1940年に米国に30日間滞在するすべての外国人は登録と指紋採取を義務付けられましたが、この法律はこれまで厳密には施行されていませんでした。しかしながら、2025年4月11日から新たな登録手続きが開始しました。これにより、ビザを取得せずに米国に入国し、30日以上滞在する予定の外国人は、入国後30日以内に連邦政府への登録を義務付けられます。

【登録対象者】登録対象には下記の人が含まれます。

  • 陸路から入国し、 I‑94 を発行されていないカナダ国籍保持者。
  • 入国検査を受けずに入国し、まだ登録をしていない人。
  • 14歳未満で米国に入国し、滞在中に14歳になった子供。
  • 入国審査を受けずに米国に入国し、合法滞在資格がない人。
    *ただし、登録しても合法的な滞在資格は付与されない。さらに、登録者は拘留され、強制退去処分になる可能性がある。しかしながら、登録を怠ると民事罰か刑罰の対象となる可能性がある。

【登録済の者】下記の者はすでに登録済みなので登録は不要です。

  • 永住権保持者。
  • 旅行許可書で仮入国した人。
  • 米国入国時に I‑94 または  I‑94W を発行された人 (I‑94 失効後も可)。
  • 移民ビザまたは非移民ビザが発行された外国人全員 (14歳未満の者は除く)。
  • 移民局のより退去手続きが開始された人。
  • 就労許可書が発行された人 。
  • 永住権を申請した人で (指紋免除でない限り) 指紋採取をした人 (申請却下後も可)。
  • 国境通過カードが発行された人。

【要件免除対象者】下記の人は登録を免除されます。

  • A ビザや G ビザ保持者。
  • 米国滞在期間が30日未満の人。
  • 少なくとも50%のアメリカインディアンの血を引くカナダ生まれのアメリカインディアンで米国居住者。

【登録方法と場所】まずは移民局の my.uscis.gov から自分のオンラインアカウントを作成します。そのアカウントから G‑325R 生体認証情報登録フォームに個人情報 (氏名、連絡先、過去5年間の住所、移民歴、個人情報、犯罪歴、 家族情報) を記入して移民局に提出します。次に移民局のアプリケーション・サポート・センターで指紋押捺をし、提出した情報を再度確認して宣誓供述書に署名します。バックグランドチェックが完了したら、オンラインアカウントに外国人登録証明書が発行されます。

【登録証明書】オンラインで登録した外国人登録証明書以外にも下記の書類も登録証明書とみなされます。

  • I‑94 到着・出発記録。
  • I-551 グリーンカード。
  • I-485 永住権申請書。
  • I‑766 就労許可書。
  • その他。

【罰則】18歳以上の方は、登録証明書を常に携帯しなければなりません。これを怠った場合、最高で$5,000の罰金、もしくは30日以下の懲役、またはその両方が科せられる軽犯罪に該当する可能性があります。虚偽の文書を使用して登録した場合は、別途刑事犯罪となり、退去処分の理由となります。また、登録しない場合はビザを拒否される可能性があります。

なお、アメリカに居住する人には憲法上の基本的な権利があり、黙秘権を行使して移民局のオフィサーとの会話を拒否することもできます。また、逮捕された場合は弁護士に相談する権利があります。

【住所変更】住所を変更した場合は、10日以内に移民局に新住所をする必要があります。通知を怠った場合は最高$5,000の罰金および/または最長30日間の懲役に罰則が課せられ、さらに強制退去処分を受ける可能性があります。 この政策の影響を受ける可能性のある方は、移民弁護士に相談したほうがよいでしょう。

執筆者について

このコラムは、Taylor English Duma 法律事務所の大蔵昌枝弁護士によって執筆されています。大蔵弁護士へのお問い合せは下記の情報を参照下さい。

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