[激変し続ける米国労働市場] 14. アメリカの都市の地下鉄と路面電車

全米の出張経験から、地下鉄があるところはまず、ニューヨークのSubway +ニュージャージーとマンハッタンを結ぶPath Train。アメリカ最古の地下鉄であるボストン地下鉄のT。首都とその周辺を結ぶワシントンDCのMetro。ダウンタウンは高架橋のシカゴのL。環状線の内側を東西南北に伸びるアトランタ市のMarta。ぐらいであろうと思っていたらとんでもない。意外と多くあります。

例えば、マイアミ、ヒューストン、ダラス、デンバー、シアトル、ポートランド、サンフランシスコ、それにロサンゼルスなど。珍しいところでは、1920年代に地下鉄計画のあったシンシナティーや、現在路線が伸びつつあるハワイの「スカイライン」。色々ありました。

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これらの都市では、中心地のダウンタウンと周辺の住居地帯、並びに空港を結んでいます。大きな都市では中心地が地下鉄で、周辺地域は地上の電車か路面電車(Light Rail)となります。

仕事での出張が中心の僕にとって、実際に使ったことのある地下鉄や電車は、ニューヨーク、ボストン、ワシントンDC、アトランタ、シカゴぐらいでしょうか?

ロサンゼルスやヒューストン、加えてサンフランシスコなどのダウンタウンから企業や人がそれなりに離れた周辺地域に著しい速さで移っていくため、ダウンタウン地区に住む極一部の人しか使うメリットがない気がします。

アメリカは実に広大で、ビジネス街がどんどんと遠距離にも拡散していきますので、建設費用と年月のかかる地下鉄や電車・路面電車の路線拡張が有効な手段なのか疑問ですね。近い将来、空飛ぶ車が実用化されるとどのような変化が起こるのか楽しみです。(日本では首都圏集中が解消され、地方の活性化に役立つかも知れません。)

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また、モータリゼーションの進んだアメリカですから、都市部であろうとも自動車がな生活に不便が生じます。アメリカの都市はその中心地から車で15分程度で、緑の多い郊外に至るわけで、買い物も当然自動車が必要となります。

ただし、全米で唯一と言っていいほどの大都市であるニューヨーク市は地下鉄網をはじめとした公共交通機関が張り巡らされていますので、自動車や免許証を持つ必要がない方も多いですね。


執筆
インテレッセインターナショナルグループ
社長 藤原昌人
1994年1月に人材会社の駐在員としてニューヨークに赴任。1996年の帰任命令に反して独立・創業。現在、全米11拠点、そして2022年から日本法人を設立し、日米双方で人材ビジネスを展開する。30年に及ぶ人材ビジネスでの知識と経験でビジネスに有益な情報を届ける。