[大蔵弁護士による米国ビザ情報] 飲酒運転とビザ取消
アメリカは飲酒に関して大変厳しく取り締まっており、飲酒運転で逮捕されると刑法上の罰則が科せられます。また、車内でふたの開いたアルコールボトルがあるだけでも軽犯罪扱いとなります。レストランは、泥酔している顧客に対してお酒を提供すると責任を問われることもあります。
【連邦法・州法】州によって飲酒運転に関する法律が異なるので、必ず違反行為のあった場所の州法を確認することが大切です。また、ビザ保持者は皆連邦移民法の管轄下にあるので、州法や刑法のみならず、連邦移民法上どのような扱いになるかも確認しなければなりません。さらに、政権によって法律が頻繁に変わることがあるので、必ず最新の情報を入手したほうがよいでしょう。
【軽罪の場合】通常、初犯であれば、第3者に対する人身障害、違法物所持、過去の逮捕歴など重度の追加違反行為がない限りは、飲酒運転はほとんどの州では軽犯罪扱いとなります。軽犯罪だと、罰則を全うすれば、基本的には滞在資格には影響しないので、I-94の有効期限まで滞在することはできます。しかしながら、逮捕されたら、既存のビザ・スタンプは無効となるので、違反行為後に出国したら、既存のビザ・スタンプで再入国することはできなくなります。
【ビザ取消通知】逮捕情報は国家犯罪情報センターのデータベースに登録され、各国の米国領事館に報告されます。領事館は、本人にビザ・スタンプが自動的に失効したことを通知します。本人のビザが失効すれば家族のビザ・スタンプも同時に失効します。ただ、米国領事館は必ずしもビザ保持者の最新の連絡先情報を把握しているとは限らないため、ビザ保持者に通知が届かない場合もあります。また、海外旅行中にビザの失効通知が届き、米国への帰国便への搭乗を拒否されて初めてビザの失効を知る人もいます。
【ビザ再申請】違反行為の後に出国したら、再度ビザの申請をしなおす必要があります。将来ESTA (ビザ免除) は使えなくなりますが、重罪でない限り、通常はB1/B2観光/短期商用ビザ、その他の就労ビザや学生ビザを申請することはできます。オンライン・ビザ申請用紙DS160に飲酒運転による逮捕情報を開示し、裁判書類を添付します。FBIのバックグランドチェックをされるので、ビザ申請は通常よりも長くかかることがあります。過去5年以内に飲酒運転の逮捕歴がある人、もしくは過去10年間に2回以上飲酒運転の逮捕歴がある人、またアルコール依存症だと疑われた場合は、大使館指定医師からの健康診断書の取得を要請することがあります。診断の結果、本人が自分自身や社会に脅威や危害を加えるような障害がない、もしくはアルコール依存症ではないと判断されれば、ビザは発行されます。
【入国審査】 過去5年以内に飲酒運転や類似の犯罪行為で逮捕あるいは有罪判決を受けた場合、自ビザ保持者情報が動生体認証システム (IDENT) の監視リストに登録されます。そのため、無事にビザが発行されても、アメリカ入国時に再度過去の犯罪歴や逮捕歴について審査されます。逮捕歴が発覚すれば、第2次審査室につれていかれ、過去の違反行為に関する書類の提示を求められることがあります。従って、過去に違反歴がある人は、ビザ申請時や入国時には必ず警察の逮捕記録や裁判所の判決記録を証拠として持参した方がよいでしょう。いずれにしろ、“飲んだらウーバー!”を心がけましょう。
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このコラムは、Taylor Duma 法律事務所の大蔵昌枝弁護士によって執筆されています。大蔵弁護士へのお問い合せは下記の情報を参照下さい。
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