[アメリカ社長日記 −人・街・働くこと]①全米各地の交通事情

今回はちょっと変わった交通事情の話。

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マンハッタンを中心としてその周りのニューヨーク市、ウェストチェスター郡、ロングアイランド、そしてニュージャージー州。この地域は河と入江で入り組んでいて、それぞれが橋かトンネルでつながっている。変化のある地形なので魅力的な風景ではあるが、交通事情と通勤の側面から考えると問題だらけである。ニューヨーク州側は、ニューヨーク市とその周りの地下鉄並びに鉄道で結ばれており、特にニューヨーク市内では車がなくても生活ができると言う全米では極めて珍しい(? )土地柄だ。その他バス路線も大変に発達しているので、車を持たない方、免許証を持っていない方など大変に多い。都市交通が発達している、日本の都市から来た者にとってこの生活に馴染みがあり暮らしやすいであろう。ところがこれがハドソン河を挟んで反対側のニュージャージー州となると、全く異なる。ニュージャージー州でマンハッタンと地下鉄つながっていいるのはジャージーシティーとその周辺だけ。その他の地域はマンハッタン向けての一方通行型バス路線。その逆でマンハッタンからニュージャージーに通勤している人は不便さもあり、極稀であり。橋やトンネルの通行料金はおしなべて18ドル(片道だけ)である。ニュージャージーからJFK空港に行くには2つのトンネルか橋を通る必要があるので倍の通行料がかかる(全く冗談ではない!)。

マンハッタンに在んでいた頃はニュージャージーを田舎と思っていたが、今ニュージャージー州民となってみると、こちらのほうがアメリカである、という意識に変わった。

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全米各地の都市を見てみよう。

ワシントンD.C.やボストンも同じく河や入江があるものの、NYのようにとんでもない通行料などはなく、全米の他の都市を見てもシカゴ、ロサンゼルス (都市のドーナツ化が起こって中心部は人気が下がっている)、ヒューストン、アトランタなどは、通勤可能範囲から職探しの地域は大きく広がる。ただし、サンフランシスコだけは小さなマンハッタンのようで不便そうだ。

ちなみに、アトランタ市やワシントンDCのハイウェイ環状線は1つだけなので近年では恐ろしいほどの渋滞が起こっている。

ところがテキサス州ヒューストン市にはなんと環状線が3つある。確かに渋滞はあるものの、それは比較的短時間である。テキサス州のヒューストン市やダラス・フォートワース地区、オースティン市などは広大な土地もあり、将来の発展・成長を視野に入れた都市計画があり、街・地域の成長が楽しみである。

一般的な日本人にとっては、今もニューヨークやロサンゼルスが人気の都市になっているようだが、このような異なる・新しく変化していくアメリカを見て、体験して、自分の生き方も大きく変わってくるはずだ。


執筆
インテレッセインターナショナルグループ
社長 藤原昌人
1994年1月に人材会社の駐在員としてニューヨークに赴任。1996年の帰任命令に反して独立・創業。現在、全米11拠点、そして2022年から日本法人を設立し、日米双方で人材ビジネスを展開する。30年に及ぶ人材ビジネスでの知識と経験でビジネスに有益な情報を届ける。