[大蔵弁護士による米国ビザ情報] ADIT スタンプ

2023年3月に、永住権保持者は、通称 I-551 と呼ばれる ADIT (外国人・身分証明電気通信システム) スタンプを郵送で受け取るオプションができたと発表しました。ADIT スタンプとは、パスポートまたは I-94 カードに貼付されるスタンプのことで、永住権保持者である一時的な証拠となります。ところが、新型コロナ以降、地元移民局での面会予約を取りにくくなり、緊急時に対応することが非常に困難となっていました。この新しいプロセスにより郵送による受取が可能となるので、申請者も緊急対応ができるようになり、移民局の作業の効率も改善されると思われます。

【ADIT が必要な場合】カードが紛失、盗難、または破壊された場合、緊急に国外に出られない場合、或は国外から戻れない場合など、ADIT スタンプの取得が必要となる場合があります。その他には、永住者保持者がグリーンカード更新中に受領通知に記載されている 24か月の短期延長期限が切れたり、カードが届かなかった場合;また、条件付永住権保持者が I-751 または I-829 請願を提出した後に受領通知に記載されている 48 か月の延長期限が失効しまい、至急国外に出る必要がある場合や雇用主が最新の証明書の提出を求めた場合などが、挙げられます。

【入国時】永住者保持者がアメリかに入国する場合、通常入国時に有効なパスポートとグリーンカードを提示する必要があります。グリーンカードを所有していない場合、入国が遅れたり入国拒否にあう可能性があります。パスポートに I-551 スタンプ或は I-94 フォームに ADIT スタンプが貼られていれば合法的な永住権保持の証明となり、このような状態を避けることができます。

【申請方法】ADIT スタンプを取得するには、まず移民局のカスタマーサービスセンター (800-375-5283) に電話をし、ADIT スタンプ発行のリクエストを出します。移民局担当者は、申請者の身分と郵送住所が特急郵便を受領できるかを確認した後に、実際の面会申請が必要か郵送申請オプションが可能かを判断します。郵送申請が可能だと判断した場合は、審査官は書類を審査した後に地元の移民局に身分証明写真と ADIT スタンプが貼られた I-94 フォームを発行し、申請者に郵送するように指示を出します。しかし、移民局のシステムに使用可能な身分証明写真が保管されていない場合や住所や身元が確認できない人など、郵送申請はできないと判断される場合があります。もし、面会申請が必要と判断された場合は、担当者は地元移民局への面会予約をとります。

【I-9】面会申請の場合は I-94 フォームの写真の右側に ADIT スタンプが押されます。郵送申請の場合は I-94 フォームの写真の左側に ADIT スタンプが押されます。上記いずれの書類も I-9 や E-Verify のリスト A の受領書類 (I-551、永住者カード) として受け入れられます。下記に I-94 フォームのサンプルを添付しています。

面会申請の場合                   郵送申請の場合

                           Source: https://www.uscis.gov/i-9-central/form-i-9-related-news/

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