[大蔵弁護士による米国ビザ情報] 留学生等在留期間の変更
米国国土安全保障省は、非移民学生 (F ビザ)、交換訪問者 (J ビザ)、報道関係者 (I ビザ) 保持者の滞在期間に特定の期限を設けると発表しました。これ以外のビザ保持者は、通常入国時に I-94 にそれぞれのビザ種類特定の滞在期限が記入されますが、上記のビザ保持者には特定の滞在期限はなく、滞在期間には D/S (duration of status) とかかれていました。つまり、これらのビザ保持者は申請した学位やプログラムの期間を示す I-20 や DS2019 の期限が有効な間は滞在することができました。新規則は、滞在期間に明確な上限を設け、必要に応じて連邦政府への延長申請を求めることを義務付けるものです。
主な変更点として、非移民学生や交換訪問者の入国許可期間は、原則として各プログラム期間に限定され、最長4年を超えないものとされます。また、プログラム修了後に期間を追加する必要がある場合は、米国移民局に延長申請書を提出する必要があります。さらに、F-1 学生が卒業後に出国準備、転校や滞在資格の変更を行うために設けられている猶予期間は、現行の60日から30日に短縮される予定です。従前の制度下で在留資格期間が D/S となっている者は、新制度へ移行後は、許可される滞在期間は新規則の発効日から最長4年に制限されます。
上記に伴い、実務上の注意点について説明します。
- 対象者の在留期限の確認:F、J および I ビザ保持者について、現在のプログラム期間、I-94 記載滞在期間、SEVIS の情報等を確認し、今後の在留期限管理に備える必要があります。
- 延長申請の要否の早期判断:学業、研修、研究、報道活動等が予定より長期化する可能性がある場合には、在留期間延長 (EOS) の要否および申請時期を早めに検討することが重要です。
- 学校・スポンサー側の記録管理体制の見直し:教育機関や交換訪問者プログラムのスポンサーおよび雇用主は、対象者のプログラム開始日・終了日、変更履歴、出席状況等を適切に記録し、SEVIS 情報との整合性を確保する必要があります。
- プログラム変更・転校時の事前確認:専攻変更、プログラム延長、転校、スポンサー変更等を行う場合には、新規則上の制限や追加手続の有無を事前に確認することが必要です。
- 発効日および経過措置の確認:新規則は連邦官報掲載後に発効するため、発効日、既存滞在者への適用、移行期間中の取扱いについて、引き続き最新情報を確認する必要があります。
新規則発効後は、対象となる学生、交換訪問者、報道関係者などを受け入れる教育機関、雇用主、スポンサー団体は、在留期限の延長申請の要否やプログラム変更時の手続きを見直す必要がでてきます。特に、学業や研修プログラムが予定より長期化する場合には、従来よりも早い段階で在留期間延長申請が必要であるかを判断し、その時点における審査時間も確認して、事前に申請準備を行うことが重要となります。なお、新規則に関しては、今後も規定が変更したり、追記されることも考えられるので、その都度最新情報を確認するように心がけましょう。
執筆者について
このコラムは、Pierson Ferdinand LLP 法律事務所の大蔵昌枝弁護士によって執筆されています。大蔵弁護士へのお問い合せは下記の情報を参照下さい。
Pierson Ferdinand LLP, Atlanta Office
260 Peachtree Street NW, Suite 2200
Atlanta, GA 30303
Website: https://pierferd.com
Phone: 678-720-3608
E-mail: masae.okura@pierferd.com
本ニュース記事に関する注意事項 (DISCLAIMER)
本雇用・労働・移民法ニュース記事は弁護士として法律上または専門的なアドバイスの提供を意図したものではなく、一般的情報の提供を目的とするものです。また、記載されている情報に関しては、できるだけ正確なものにする努力をしておりますが、正確さについての保証はできません。しかも、法律や政府の方針は頻繁に変更するものであるため、実際の法律問題の処理に当っては、必ず専門の弁護士もしくは専門家の意見を求めて下さい。アイアイアイキャリア、ピアソン・ファーディナン法律事務所および筆者はこの記事に含まれる情報を現実の問題に適用することによって生じる結果や損失に関して何ら責任も負うことは出来ませんのであらかじめご承知おき下さい。


