ハワイで働きたい!そんな方のためのキャリアガイド
日本語バイリンガルの方々ようこそ!iiicareerアメリカ紹介シリーズ第13弾!
第12弾、南部の都市と日系企業についてはこちら。
ハワイは壮大な自然と温暖な気候、そして豊かな文化が魅力の地。観光のみならず、多くの日本人にとって「ここで働きたい」と思わせてくれる特別な場所です。しかし、ハワイで働くためには事前の準備と計画が必要不可欠。本ガイドでは、ハワイでの就業を目指す日本人留学生や会社員、そしてハワイ好きの方々へ向けて役立つ情報をまとめました。

ハワイってどんなところ?
ハワイはアメリカ合衆国の50番目の州であり、太平洋に浮かぶ美しい島々から構成されています。主要な島には、オアフ島、ハワイ島(ビッグアイランド)、マウイ島、カウアイ島、モロカイ島、ラナイ島の6つが挙げられます。州都であるホノルルはオアフ島に位置し、観光とビジネスの中心地として広く知られています。
ハワイはアメリカ本土から飛行機で約5時間、東京からは約6時間の距離にあり、自然豊かな熱帯の楽園として世界中の旅行者に愛されています。年間を通じて暖かい気候、壮大な自然、美しいビーチ、そしてリゾート地としての高い人気を誇り、多くの観光業関連の仕事が存在します。また、地元の文化とアメリカ流の雇用文化が融合した独特の社会環境も特徴的です。
ハワイの歴史
ハワイと日本は、歴史的に深い絆で結ばれています。約120年前、日本からサトウキビ農園で働くために移住した人々の子孫が現在も多く暮らしており、その影響で日本文化はハワイの生活にしっかりと根付いています。また、日本から訪れる観光客も多いため、日本語や日本式のサービスが求められる場面も少なくありません。

日系移民の歴史を振り返ると、初めてハワイへと移民が到着したのは1868年(明治元年)でした。その後、1920年にはハワイ準州の人口の約42.7%を日系人が占めるまでに至りましたが、移民政策の変化や社会的な移り変わりにより、その割合は現在約20.8%まで減少しています。
さらに、ハワイには日本だけでなく、中国やフィリピンからの移民も多く、多種多様な言語が日常的に飛び交っています。このように多文化が共存するハワイは、訪れる人々を魅了し続ける独特な魅力を持つ特別な土地です。
ハワイでの住みやすさと仕事
住みやすさ
ハワイは治安が良く、リラックスした生活環境が魅力的です。日本食に限らず、スーパーで日本野菜なども手に入れることが可能であり、日本人にはとても住みやすい環境ですが、いくつかの課題も存在します。ハワイは生活費が非常に高く、家賃、水道光熱費、食品価格が日本と比較してもアメリカ本土と比較しても高額です。このため、選ぶ職業によってはルームシェアや郊外エリアへの居住の検討が必要な場合もあります。
ハワイ州では、カマアイナ割引と呼ばれる、ハワイ在住者向けの特別な割引制度が広く利用されています。「カマアイナ(kamaʻāina)」とはハワイ語で「土地に住む人」を意味し、地元住民を指します。レストラン、ショップ、ホテル、ゴルフ場などで、通常料金の10~20%割引が適用される場合があります。カマワイナ割引が可能かの事前確認をしてから、ハワイ州発行の写真付きIDを提示して割引を受けましょう。**観光ビザの方は使えないので注意しましょう。**
公共交通機関
オアフ島を含む各島での移動手段は圧倒的に車が便利ですが、車を持たない生活をする場合、バスの月間パスの購入や、自転車などの移動手段を取り入れるのもおすすめです。ホノルルに限っては電車というオプションもあります。2023年6月30日にハワイ初の公共鉄道システム「スカイライン(Skyline)」が一部開通し注目を集めました。スカイラインとバスを組み合わせることで、かなり行動範囲は広がります。
スカイラインは現在、西部のカポレイ地区からアロハスタジアムまでの区間が運行中で、将来的にはダニエル・K・イノウエ国際空港やダウンタウン、そしてアラモアナショッピングセンターへの延伸が予定されています。

- 運行区間:カポレイ地区~アロハスタジアム
- 今後の延伸予定:
- 2025年:アロハスタジアム~ダニエル・K・イノウエ国際空港
- 2031年:カリヒ地区~ダウンタウン
- 支払い方法:「ホロカード(HOLO Card)」を使用。1回のタップで片道分が支払われ、2.5時間以内であれば無料で「ザ・バス(TheBus)」への乗り換えが可能です
ハワイでバイリンガルが就業可能な職種
- 観光業: ハワイの主要産業であり、特に求人が多い分野です。日本語対応が求められる職種として、ホテル、ウェディング業界、観光案内所、ツアーガイドなどが挙げられます。
- パーソナルケアサービス業界:ネイルやエステ、ヘアサロンなど、日本語が重宝される場面も多く、日本での経験が役に立ちます。
- レストラン業界: 日本食レストランや寿司店での勤務経験は非常に重宝されるポイントです。 ウェイトスタッフの場合、最低賃金にあわせてチップがもらえるのも魅力です。
- 輸出入業: 島々で消費されるものの殆どが外から持ち込まれるため、貿易関連、ロジスティックス関連の仕事も需要があります。
- IT分野・オフィスワーク: アメリカ企業や国際プロジェクトに関わる職種も増加傾向にあります。ただし、これらの仕事には高い専門知識や実務経験、そして何よりも高い英語力が必須です。

リアリティチェック
生活費と最低賃金
ハワイは多くの日本人にとって憧れの地ですが、前述したとおり生活費の高さが大きな課題となっています。ニューヨーク・マンハッタンに次ぐ生活コストを抱えるホノルルでは、生活するのに十分な給与を得るのが難しいと言われています。特に、食品や住居費といった基本的な生活費はアメリカ本土と比較しても割高であり、慎重な資金計画が不可欠です。
ルームシェアなどをしてもハワイで暮らしていくには月に3000ドルから4500ドルを稼ぐ必要があります。ハワイ州の最低賃金は時給14ドル(2025年現在)と他州と比べて高めの設定ですが、時給14ドルでは週40時間働いても月収は2500ドルにしかならず、生活がままならないことも。
一方で、医療や教育といった専門職に従事する人々は、経験や資格に応じて比較的高い給与を得られる可能性があります。そのため、このような分野でキャリアを築くことで、生活費を十分に賄える収入を確保できる可能性が高まるでしょう。
ハワイアンの移住
生活費が高く、観光業が主な収入源となっているハワイには給与の良い、ホワイトカラーの職業が不足しています。実際ハワイで生まれ育った大学卒業者の55%以上が、より良い職を求めて州外へ移住しているというデータもあります。特にネイティブハワイアンは、低賃金が原因で経済的困難に直面するケースが多く、州外での高収入を目指す傾向が顕著です。ロサンゼルスやラスベガスには大規模なハワイアンのコミュニティがあります。
ハワイ州の健康保険制度
ハワイ州では、1974年に施行された「ハワイ州事前健康保険法(Prepaid Health Care Act)」により、週20時間以上働く従業員に対して、雇用主が健康保険を提供することが義務付けられています。多くの州では一般的に週30時間以上の労働がなければ健康保険の提供義務が発生しないため、ハワイ州は特に健康保険へのアクセスが整った環境を提供していると言えます。仕事を決めるときは、健康保険のことも詳しく聞くことが大事になってきます。
ビザ要件を正しく理解しよう
アメリカで働くには、適切なビザを取得することが不可欠です。アメリカにはワーキングホリデー制度がないため、自分に合ったビザの選択肢を理解することが重要です。学生としてハワイでの生活をスタートさせる、会社などを通してビザを取得する、方法はさまざまです。
以下は主なビザの種類です:
- OPT (Optional Practical Training): アメリカで大学に通ったF-1ビザ保持者が卒業後に一定期間働くためのプログラム。
- H-1Bビザ: 専門職向けのビザで、多くの申請が殺到するため抽選による選定が行われます。取得には高い競争率があります。
- Lビザ: 企業内転勤者向けのビザで、海外企業からアメリカの支社や関連企業に派遣される際に適用されます。 いわゆる駐在ビザ。
- E-2ビザ: 投資家向けのビザで、アメリカでの事業設立や運営を希望する場合に利用できます。
ポイント
自分に適したビザを事前に調査し、必要であれば移民法の専門家に相談することをおすすめします。また、一部の雇用主はビザのスポンサーになる場合があるため、就職活動の早い段階でその可能性を確認することが重要です。

今後の準備のために
ハワイで働く夢を叶えるために、以下のステップを踏むことをお勧めします:
- 分野と職種を決める: 目指す業界に必要なスキルや資格を明確にし、準備を始めましょう。
- 英語のスキルを向上させる: 英会話やビジネス用語に重点を置いた勉強が重要です。
- ネットワーキング: ハワイで働く経験者や企業関係者とのつながりを作ることが役立ちます。
- リサーチと計画: ビザ、居住費、現地の習慣など、移住に必要な情報をすべて把握しましょう。
- 柔軟性を持つ: 初めは希望していない職種でのスタートでも、その経験がハワイでのキャリア形成に役立つことも。
ハワイで働くことは簡単ではありませんが、その魅力と充実感は計り知れません。iiicareerではみなさんの就職を応援しています!このガイドを参考に、次のステップに向けて計画を進めてみてください!